死後離婚すると子供の負担はどうなる?

配偶者亡き後、煩わしい親戚関係との縁を切りたいときに便利な死後離婚ですが、本当にメリットばかりなのでしょうか?

姻族関係終了届を提出することで、子供にかかってくる負担がどうなるのか、相続や扶養義務、戸籍や苗字などについて事前に知っておきたいところです。

何が変わらず、何に影響があるのかを知っておけば、後から慌てることもなくなりますね。

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死後離婚すると子供の負担はどうなる?

姻族関係終了届というのは、まったくの他人である配偶者のみが姻族関係を終えられるというものです。血のつながりのある子どもとの関係が切れることはありません。

そのため、死後離婚によって自分は関係なくなるという一方で、子供に雑事がのしかかり、迷惑をかけるかもしれない可能性が出てくるのです。

残された妻(夫)が義務を放棄すれば、すべての役目は子供の負担となります。子供の年齢や姻族の状況などをしっかり把握しておいてから、どうするかを決めたいところです。

死後離婚すると子供の負担はどうなる?

子供の戸籍は?

姻族関係終了届による子供の戸籍は、今までとなんの変化もありません

母が死後離婚をしていても、その旨が掲載されるということもなく、関係もすべて同じままです。

子供の苗字は?

これも特に変化はなく、今までの苗字のままです。

復氏届を出す場合

母は復氏届(ふくうじとどけ)を出して結婚前の苗字に戻ることができますが、それによって子供の苗字も自動的に変わるということはないので注意が必要です。

母は復氏届の提出後、結婚前の戸籍に戻るか、自分が筆頭者となる新戸籍を作ります。このとき、結婚前の戸籍は除籍になっていないことが条件です。両親が他界しているなど、籍がなければ戻れません。

このままでは親と子供の戸籍は別ということになってしまいます。

子供を自分の戸籍に入れるためには「入籍届」を出さなければいけませんし、名字も同じにするには「子の氏変更許可申立」をする必要があります。

死後離婚と子供の扶養義務

配偶者を亡くした一方が、その姻族との関係を絶つのみですから、子供の扶養義務は残ったままです。祖父母と孫の関係で、扶養義務は継続します。

死後離婚すると子供の扶養義務は?

子供からみた扶養義務

親が死後離婚していたとしても、子供には直系血族として祖父母に対する扶養義務が残っています。

扶養(ふよう)は、老幼、心身の障害、疾病、貧困、失業などの理由により自己の労働が困難でかつ資産が十分でないために独立して生計を営めない者(要扶助者)の生活を他者が援助すること。

wikipediaより

亡くなった夫に兄弟がいるなら、直系血族なのでそちらの扶養義務が優先される、というのが一般的です。ただし、状況にもよるため、必ずそうであるとも限りません。

民法では、「扶養すべき者の順序について、当事者間で協議が調わないときや協議できないときは家庭裁判所が定める」と規定されています。

扶養義務は三親等にまで!

扶養義務は三親等内の親族間に及ぶこともあるため、顔も知らない親戚に対して責任を追わなければならないケースが出てくるということも考えられます。

祖父母の介護だけじゃなく、極端な例でいうと、見知らぬ親戚の失業による面倒までみなくちゃいけなくなる可能性もあるということです。

もちろん、子供がまだ未成年などで経済的に自立していない状態であれば、扶養義務を負うことはありません。

子供に対する扶養義務

逆に、祖父母側からみたときにも、子供(つまり孫)に対する扶養義務があります。これも、姻族関係終了届が出されているから関係ない、というわけにはいきません。

夫の死後に嫁が子供を置いてどこかへ行ってしまったなんて場合、祖父母として孫の面倒をみる必要があるのです。

死後離婚と子供の扶養義務は、なんら変わりがないということになります。

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姻族関係終了届で子供の相続権は?

夫の両親が亡くなった場合、直系血族として子供には遺産を相続する権利があります。これは、母が姻族関係終了届を出してしまっていても変わりません。

本来は、義父母 ⇒ 息子(夫) ⇒ 子供、と下りてくるところですが、息子である夫がいなくても代襲相続により、夫の分は子供が相続することができます。

姻族関係終了届で子供の相続権は?

つまり、姻族関係終了届が子供の相続に与える影響は何もないということになります。

ちなみに、息子の嫁には遺産を相続する権利はありませんので、夫が亡くなってしまったら、姻族関係が続いていても、妻が金銭的に得をすることは一切ありません。

まとめ

死後離婚の制度で、子供の負担・相続・扶養義務がどうなるのかについてお伝えしました。

子供が既に独立しているのか、まだ未成年かなどで細かな事情は変わってきますが、血族関係としての権利や義務は同じように引き継ぎます。

姻族関係終了届を出しても出さなくても子供の影響があまり変わらないのであれば、出したことによるメリットを優先したいところですね。

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