ご成婚の際の引き出物にも使われるボンボニエール。その可愛らしい名前を耳にしたことがある方は多いと思います。
けど、どういったものなのかをちゃんと知ってる人は少ないのでは?
皇族だけのものではなく、一般人も手にすることができますし、結婚祝いなどに選んでみるのもなかなか粋なチョイスだと思います。
購入可能なブランドをピックアップしてみましたので、参考にしてみてくださいね。
ボンボニエールとは?
ボンボニエールはボンボン入れ、日本風に言うと菓子器のことです。
子供の誕生や結婚式などのお祝いとして、ボンボンという砂糖菓子をボンボニエールという容器に入れて配る、というヨーロッパの風習にならっています。
日本では、皇室・皇族・華族などが各家の家紋とお印を入れて引き出物とする慣習が現代でも続いています。
昔は弔事にも配った例はありましたが、いまの皇室では誕生、卒業、成年、結婚、銀婚、金婚、即位、即位周年、喜寿、米寿といった慶事の際の引き出物となっています。
陶器や銀ばかりでなく、プラスチック、木、布、竹、アルミ合金(ジュラルミン)なども制作され、漆塗りや金などの細工がされたものも多かったようです。
丸形や四方形のイメージが強いですが、六角形や卵型、過去には船、鳥かご、御所車、兜、檜扇といった凝ったつくりのものも多くありました。
ちなみに、昭和15年に規制がかかってから、銀製品は作られなくなっています。
ボンボニエールは金平糖入れのこと?
もともとはボンボンという砂糖菓子を入れるものです。同じ砂糖菓子ではありますが、金平糖とはちょっと違います。
ボンボンは砂糖で何かを包んだお菓子です。今はドラジェと呼ばれているナッツだったり、キャラメル、マシュマロ、グミ、ガムなどのお菓子を総称してボンボンといいます。
砂糖の代わりにチョコレートで洋酒をコーティングしたウイスキーボンボンは、バレンタインチョコの定番ですよね。
一方、金平糖は砂糖そのものに味付けがされたお菓子で、中に何か別のものが入っていることはありません。
過去には干菓子やミント、チョコレートなどが入れられていたこともあるようですが、いまは主に金平糖が入れられています。
日本で唯一の金平糖専門店でもある、京都の緑寿庵清水(りょくじゅあんしみず)の金平糖が有名です。
お菓子入れという意味のボンボニエールですが、中には「葉巻入れ」「楊枝入れ」「指輪入れ」などの変わったものを入れる器もつくられたようですよ。
皇室御用達ボンボニエールの陶器をつくっているブランドは?
陶器でできたボンボニエールは菓子器としてだけじゃなく、小物入れとしても観賞用のポットとしても実用性も高い引き出物といえます。
個人が手にすることもできる、皇室御用達の3大ブランド(メーカー)を挙げてみました。
大倉陶園
大正8年創業の大倉陶園。「オークラのホワイト」と呼ばれるように、滑らかで真っ白な陶器に定評があります。(親会社はノリタケカンパニーリミテド。)
一般人でも購入できるボンボニエールがいくつもありますので、特別なシーンの記念として手にしてみるのもいいですね。
ちなみに、価格は16,200~108,000円と、ずいぶん幅があります。
製作されたボンボニエールの例
- 2006年 紀宮内親王殿下 ご婚礼品
- 2011年 秋篠宮悠仁親王殿下 高野槇
- 2012年 秋篠宮眞子内親王殿下 木香茨
>> 大倉陶園 公式サイト
深川製磁
明治27年創業の深川製磁は、佐賀県有田町にある有田焼の陶磁器メーカー。「フカガワブルー」と呼ばれる青の染付の美しさが特徴の窯元です。
カタログや公式通販サイトではボンボニエールという名前はありませんが、「白百合フローラルボックス」が小物入れとしてお菓子も入れられそうです。
個人的には、アルテ・ヴァンピッコロやUプレートなど、現代風の使いやすい陶磁器がとっても気になってます(*^^*)
事前予約が必要ですが、深川製磁参考館(1階はショールーム、2階は参考館)でボンボニエール作品の実物を見ることができます。
住所:佐賀県西松浦郡有田町幸平1-1-8
電話:0955-42-5215
営業時間:9:00~17:00
>> 深川製磁 公式サイト
香蘭社
明治8年創業の香蘭社は有田焼の名窯。世界万博でも数々の受賞歴を持っています。ショールームが佐賀県の有田本店と銀座にもありますので、覗いてみるのもいいかも。
また、老舗でありながら佐賀県の鳥栖プレミアム・アウトレット店に出店するなど、普段遣いできる食器もたくさんあります。
香蘭社では、昭和天皇への献上品にも用いられた文様のボンボニエールを購入することができます(27,000円)。
他にも、キャンディポットという名前のキュートな菓子器がお手頃価格で手に入ります。
>> 香蘭社 公式サイト
ボンボニエールの銀製品で皇室で使われているブランドは?
宮内庁御用達の銀製品専門店である宮本商行をはじめ、さまざまなメーカーや個人の方のお名前が挙がっています。
- 宮本商行
- 三越
- 天賞堂
- 山崎商店(現.田中貴金属工業)
- サムライ商会
- 関商店
- 平田宗幸
- 漢城美術品製作所
- 李王職美術品製作所
- 高島屋
- 安藤七宝店
- 宮本商行
- 大勝堂
- 鈴木
- 新城
- 丸嘉
- 錦綾
- 服部
- 稲葉
- 村松
- 三宅
- 小林時計店(廃業済み)
宮本商行
宮本商行では、いまでも無地型と折鶴型のボンボニエールを販売されていますよ。名入れもできるようなので、結婚祝いなどでプレゼントするのも粋じゃないでしょうか。
皇室の慶事を彩ってきた銀のボンボニエール http://t.co/TXhUy3LOi2 … pic.twitter.com/UwVQNJZGpJ
— 宮本商行 (@miyamoto_shoko) 2014年2月27日
ボンボニエールのバーチャル展示
学習院大学史料館のサイトでは、平成27年4月4日(土)~平成27年6月6日(土)に開催された「ボンボニエール掌上の皇室文化」展で見ることができたボンボニエールをネット上で見ることができます。
宮内庁御用達!漆器のボンボニエール
宮内庁御用達の山田平安堂では、金平糖がセットになっている漆器のボンボニエールが販売されています。
ほかにも、キャラメルボックスという名前の現代風デザインの菓子器がいくつもあり、和がお好きな方へのプレゼントなら、きっと喜んでもらえると思います。
創業90年を超える漆器専門店 各国大使館や外務省にも漆器を収める老舗
>> 漆器 山田平安堂
まとめ
ボンボニエールとはどんなもので、金平糖入れのことなのかどうか、また皇室御用達のボンボニエールの陶器や銀製品で、皇室で使われたブランドをまとめました。
優雅な小物が好きな方なら、たぶん顔がニンマリしてしまう仕様なんじゃないでしょうか。女性は小さな容れ物って好きですから、きっと贈っても喜んでもらえると思いますよ。
マイセン、ヘレンド、ウェッジウッドなどのボンボニエールも素敵ですが、日本製のボンボニエールの方がしっくりくる気がします(*^^*)